SET*とWBGT(体感温度と熱さ指数)

SET*(Standard Effective Temperature)とWBGT(Wet-Bulb Globe Temperature)は、どちらも人間の熱環境の評価に用いられる指標ですが、異なる方法で計算され、それぞれ特定の用途や環境に適しています。

SET*(エス・イー・ティー・スター 標準有効温度)は体感温度を表す場合に多く使われます。
SET*は、温度、湿度、風速、輻射の影響を統合した指標で、人が静止した状態で感じる体感温度を表します。
SET*の計算には、乾球温度、湿球温度、風速、輻射温度、そして個人の活動レベルや衣服の絶縁値が考慮されます。
複雑な環境条件を包括的に評価でき、居住者の主観的な快適性を反映するのに適しています。
主に建築環境や空調設計に使用され、居住空間やオフィス環境での快適性を評価するために用いられます。

WBGT(ダブリュー・ビー・ジー・ティー 湿球黒球温度)は暑さ指数を表す場合に多く使われます。
WBGTは、温度、湿度、風速、そして輻射熱を統合した指標で、特に屋外や工業環境での熱ストレスを評価するために使用されます。
WBGTの計算には、湿球温度(自然通風)、黒球温度、乾球温度が使われます。
以下のような公式が一般的です
屋外の太陽照射あり:WBGT = 0.7 * 湿球温度 + 0.2 * 黒球温度 + 0.1 * 乾球温度
屋内または太陽照射なし:WBGT = 0.7 * 湿球温度 + 0.3 * 黒球温度
簡便で迅速な評価が可能で、特に高温多湿環境での安全管理に適しています。
主に労働環境やスポーツ環境における熱ストレス評価に用いられ、特に熱中症のリスク管理に役立ちます。

SET*は主に屋内環境での快適性評価に適しているのに対し、WBGTは屋外や工業環境での熱ストレス評価に適しています。
SET*は計算に多くの変数を含むため、詳細な評価が可能ですが、計算が複雑です。WBGTは比較的簡便で、迅速な評価が可能です。
何が要因で人が熱く感じるかや、熱中症リスクになるかがわかれば、それに合わせた日よけや間仕切での対策が可能です。
©2020 株式会社星野商店
ページ
TOP